熱心な歴史研究家でもあったマルクスは、大英図書館にこもって過去の歴史本を数百冊も読んで資本主義の歴史を分析し、「資本論」を書きました。
「資本論」は資本家が誕生するまでの何世紀にも渡る歴史を書いています。
15世紀から18世紀にかけて生まれた新しい資本家によって毛織物産業が発展します。
その結果、必要な羊を育てる牧場を作るために多くの農民が追い出されてしまいました。
そして、耕す土地を失った農民は、自分で自分を売ることしかできなくなります。
彼らを工場労働者として雇うことで、最初はわずかな資金しか持っていなかった資本家も急速に力を伸ばします。
競争に勝ち抜いた資本家は大資本家となり、大量に生産された商品を売るため、市場を世界に広げます。
やがて、イギリスなどの国々は競って海外に植民地を作り、資本家が労働者を搾取する仕組みが世界に広がっていきました。
「資本論」ではこのグローバル化の現象について次のように書かれています。
つねに1人の資本家が多くの資本家を滅ぼす。この集中とともに、つまり少数の資本家による多数の資本家の収奪とともに、(中略)世界市場全体への世界の国民の組み入れ、およびそれとともに資本主義の国際的性格が発展する。
つまり、最初は国内に様々な企業があっても、競争していくうちに最終的にはまるで国営企業のように1社になってしまう。
すると、今度は同じことが国際的にも行われて、次第に世界市場の中に入っていて、世界市場でも最終的には結局1社になってしまう。
マルクスはグローバル化が進んでも資本家と労働者の図式は変わらないと考えていました。
20世紀、マルクスに学んだ学者達はそれを南北問題に当てはめました。
発展途上国の人々は先進国の資本家や企業によって搾取されている。
そして、その搾取から抜け出すには、それぞれの国の反対運動しかないと考えたのです。
果たして、この考えは正しいのでしょうか?
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