「資本論」が世に出た19世紀、ヨーロッパでは産業革命によって、労働環境が大きく変化していました。
多くの労働者は劣悪な条件の下、わずかな賃金で働かされ、不況になれば失業し、困窮を極めていました。
そんな中、マルクスは「資本論」の第8章「労働日」で、当時の労働者の証言を元に、その過酷な労働の実態を明らかにしました。
ある壁紙工場では、繁忙期には大人も子供も朝6時から深夜まで、ほとんど休みなく働かされました。
さらに、数百人の乗客が亡くなった鉄道事故について分析。
10年ほど前は8時間労働に過ぎなかったが、この5〜6年の間に14時間、18時間、20時間と労働時間が引き上げられ、バカンスの時など客が多い時は、40〜50時間休みなく働くことも珍しくありませんでした。
現在では考えられないような労働環境です。
マルクスは次のように語ります。
「あとはどうとでもなれ」とでも言うのか。資本は社会が対策を立て、強制しない限り、労働者の健康と寿命のことなど何も考えない。
マルクスはこうした当時の過酷な労働状況を分析し、理論的に正確に資本主義の実態を暴こうという形で完璧な論理を打ち立てようと考えました。
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