ニーチェの「ツァラトゥストラ」の中に「永遠回帰の指輪」が出てきます。
指輪が人の人生を象徴しているのです。
指輪にはダイヤが付いていて輝いている箇所もあれば、サビていて汚い箇所もあります。
人生にはダイヤのように輝く時期もあれば、忘れてしまいたいほど最悪の時期もあるということです。
「永遠回帰の指輪」は、自分の人生にはマイナスもプラスもあるが、トータルの人生の輪が何度も巡ってくるということを意味しています。
ニーチェは「ダイヤと共に、イヤなことも引き連れて、自分の人生を全部肯定せよ」と言っているのです。
さらに、ニーチェは「自分のイヤなこと、耐え難いことなどの苦しみを仕方なく受け入れるのではまだ甘い。その苦しみを欲さなければならない。」とも言っています。
つまり、マイナス部分も「これで良かった」と全肯定する、自分のネガティブな事も含めて全肯定するということです。
すべての「こうあった」を「私がそう欲した」につくりかえること。
そういう生き方のことをニーチェは「運命愛」と言っています。
この「運命愛」の態度を持てた人は、自分の人生を何度でも繰り返そうと「永遠回帰」を受け入れたことになるのです。